プロジェクトレポート(アフリカ)| ベナン共和国

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実施期間:2017年3月~2018年7月
工事概要:給水システム建設 2サイト
     高架水槽 2基(300?、200?)、原水貯水槽 2基(210?、160?)、
     ポンプ室 2室、機械室 6棟、管理棟 2棟、配管 20km、
     井戸揚水設備 4式、塩素滅菌装置 2式

対象地域は周辺に大きな河川がなく、また基盤岩地帯(注釈1)で地下水開発が難しいため、乾期の後半から雨期の初め(3月~5月)にかけて地下水位が低下し、取水制限等の障害が発生していました。既存配管内を確認したところ水はほとんどなく、断水が常態化していたことが伺えました。

他国の援助機関が地下水開発を諦める中、日本の国際協力機構(JICA)が水源の調査を行ったところ、地下水ポテンシャルが高い場所を特定することができました。これを受けて、両市に新たな給水施設を建設する政府開発援助(ODA)無償資金協力事業が計画され、当社が施工を行いました。新たに建設した給水施設を通じ、街にきれいで安全な水道水が供給されるようになり、住民の渇きを潤しています。

<注釈1: 基盤岩地帯>
その地域における最も古い岩石が広がる地帯。砂礫や砂が堆積した帯水層がないため、地下水開発では岩盤の割れ目等を流れる地下水(れっか水)を取水する。


井戸揚水設備 :水中ポンプで井戸から地下水を汲み上げる
原水貯水槽 :地下水を一旦貯留し、滅菌処理をして水道水を作る
ポンプ室 :送水ポンプで水道水を高架水槽へ送り出す
高架水槽 :水道水を高所に貯留し、重力による自然流下で配水する
配管 :導水管、送水管、配水管から成り、離れた場所へ水を安全に送り届ける

管理棟・機械室・原水貯水槽(ポンプ室・塩素滅菌装置併設)

 

高架水槽

機械室・井戸揚水設備

送水設備(ポンプ室内)

 

給水施設完成後、新設した配水管末端の「仕切弁」を開いて既存配管に繋ぎ、いよいよ地域住民の家に配水です。
果たして無事に蛇口から水は出るでしょうか?緊張の瞬間です!

仕切弁を開く水道公社支局長

住民の家の給水栓「蛇口から水が出た!」

プロジェクトの終盤を迎えたある日、ローカルラジオからとんでもないニュースが...
「最近晴れの日が続いているが、これは日本人が雨を止めているからだ。
彼らは工事を上手く進めるために、雨を降らせない技術と機械を持っている!」
ちょうど当社が建設中の高架水槽が立ち上がり、町一番の高層建造物となり始めていた頃。
雨季がいつもより遅れており、地元の農家にとっては死活問題です。
おそらく高架水槽の巨大さに驚いて、様々な憶測が飛んだのでしょう。
もちろん、私たちに雨を止める技術はないのですが...

街にそびえ立つ高架水槽

高架水槽から見下ろす街の景色

ダッサズメ市はタレントで元駐日ベナン大使のゾマホン氏の出身地。
そのこともあってか、住民の皆さんはとても友好的に、日本から来たプロジェクトメンバーを受け入れてくれました。
週末には近所の子供たちとサッカーをすることが恒例になりました。

竣工式会場

水・鉱山省大臣によるご挨拶

ダッサズメの王様3名も参列されました

会場では井戸揚水設備が披露されました

住民の方々が踊りで完工をお祝いです!

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